学校給食のミライ!?兵庫教育大学附属小学校 高橋栄養教諭の食育への取組みとは!?
概要
- インタビュー
- 兵庫教育大学附属小学校 栄養教諭 高橋 祐さま
- URL
- 兵庫教育大学附属小学校
- インタビュー先説明
- 兵庫教育大学附属小学校
兵庫教育大学附属小学校様は、兵庫教育大学学校教育学部の附属小学校として、
1980 年に設置されました。教育目標に「人間として生きぬく力を育てる」を掲げ、
義務教育学校としての任務と共に、実習・実地教育校及び大学への研究協力校の
任務にあたられています。給食については、隣接する附属幼稚園様・附属中学校様
とあわせて1 日約1,000 食を共同調理方式で提供されています。
この度は、食育の推進に積極的に取り組まれている、兵庫教育大学附属小学校 栄養教諭 高橋 祐さまを取材させていただきました。
Q1.兵庫教育大学附属小学校様の食育の取組について
・今の学校給食において、幼児や児童生徒の食シーンで感じられている課題点
・給食献立や食育について、学校と高橋先生が挑戦されていること
3 歳~15 歳が一貫して学べる本校の教育環境において、食育についても、総合学習、家庭科、特別活動などとどうつなげていくかが大きな課題です。具体的な取組としては、国語の比喩表現をみがくために擬音を使った食べ物クイズを行ったり、ICT を活用した食体験の機会を増やすためにZOOMで調理現場のリポートを行ったりしています。また、食で地域の伝統文化を学ぶために給食での地産地消を積極的に推進しており、収穫した地元名産「三草茶(みくさちゃ)」を炒って茶葉にし、どんな給食メニューを作るかといったことを児童といっしょに考えるプログラムにつなげています。泉平さんには兵庫県産のもち麦、木耳、玉葱コロッケなど、地産地消商品も多く供給して頂いています。
Q2.魚メニューへのこだわりについて
・給食献立や配布物で表現されているメッセージ
・寒ボラの採用理由と児童生徒の喫食評価
共働きや核家族化する社会の中、魚は調理が難しく困難・時間がない・骨があって食べにくいなど、食べ方を知らないことが、子供たちの魚離れにつながっていると考えています。私は元々魚が好きだったこともあり、おおむね週1 回の魚献立を実施して、その旬や特徴・食べ方をワンポイントで伝え、子供たちには「食べやすさ・美味しさ」、保護者には「調理のしやすさ・栄養」の啓発を行っています。また、日本人の魚食文化はすごく多様で、地域によって食べられている魚が異なります。泉平さんは給食向けにいろいろな魚種と加工バリエーションを提案してくれるので、活用させて頂いています。「ボラ」は私も食べた経験が無かったのですが、「昔は高級魚」「環境に強い魚」といった点に興味を持ち、採用させて頂きました。児童の評価はとても好評でリピートで使っております。調理師さんも焼き方のコツをつかみ、たんぱくな白身が味付けの邪魔をしない。「味噌だれ」「香味だれ」「梅やき」などのバリエーションも増えました。
Q3.未来の学校給食について
・高橋先生がこれから挑戦されたい食育
・弊社に対する期待、一緒に取り組みたい内容
子供たちには「食の選択ができる力」を養ってほしいと考えています。給食はそれを「見て、知れて、食べること」で実現できる絶好の機会だと考えます。今後、子供たちが考えたオリジナルレシピのコロッケを泉平さんに作っていただくなど、企画・開発の部分でもタイアップしていければと考えています。また、頻発する自然災害への子供たちの対応力を高めるためにこれからは、「防災食育」にも取り組んでいきたいと考えています。学校給食だけでなく、病院・老健施設や事業所給食、自衛隊など地域の食品流通を支えている泉平さんには、こうした幅広い分野での情報や食材供給に期待しています。